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2018年7月25日
余語克則副主席研究員と山田秀尚主任研究員がエネルギー・資源学会の学会賞を受賞しました(川崎重工業株式会社との共同受賞)
この度、化学研究グループの余語克則副主席研究員と山田秀尚主任研究員が川崎重工業株式会社と共同で行った「CO2分離回収システム」に関する研究に対し、一般社団法人エネルギー・資源学会より、学会賞が贈られました。
本賞は、エネルギー・資源・環境に関する学術の発展に貢献する技術やシステムの開発・解析・調査などで特に顕著な業績をあげた研究者に授与されるものです。
2018年6月11日、グランキューブ大阪にて学会の総会に引き続いて表彰式が執り行われました。
余語副主席研究員 山田主任研究員
受賞者 |
吉澤 克浩、奥村 雄志、長谷川 祐介(川崎重工業株式会社) 余語 克則、山田 秀尚(化学研究グループ) |
賞の名称 | 一般社団法人エネルギー・資源学会 学会賞 |
業績テーマ | 低温排熱利用による省エネ型CO2分離回収システム(KCC:Kawasaki CO2 Capture) |
研究成果の概要 |
低炭素社会の実現に向けて、火力発電所等から排出されるCO2を回収して地中に貯留する技術(CCS)の導入促進が求められています。そのためには、より少ないエネルギーでCO2を分離回収する技術の確立が必要です。従来の大規模CO2分離回収プラントで採用されているアミン水溶液を用いたCO2回収法では、CO2を吸収させた液を100℃以上に加熱する必要があり、これが回収エネルギー増大の要因となっています。 固体吸収法はアミンを比熱の小さな多孔質材料に担持することで、液吸収法に比べて大きなエネルギー低減を実現します。さらに、RITEが開発した低温でのCO2回収性能に優れた新規アミンを担持することで、60℃程度の低温排熱の有効利用を可能とします。現在、本材料を川崎重工業が開発した移動層システムに適用し、石炭燃焼炉を併設するベンチ試験設備を用いて試験を行っています。これまでに、低温蒸気(60℃)を用いて5 t-CO2/dayを超える高純度CO2の回収を達成しています。 本研究開発の成果である「低温排熱利用による省エネ型CO2分離回収システム」を着実に実証していくことで、CO2分離回収コストの大幅削減とCCSの早期普及が期待されます。 |