ALPS国際シンポジウム2012―持続可能な発展と調和した温暖化対策―
ALPS国際シンポジウム2012を下記のように開催いたしました。官公庁、大学、研究機関、企業、その他団体等から約200名の方に参加いただきました。
地球温暖化対策を広く持続可能な発展政策の中で位置付けていくこと、他の方策とのコベネフィットを追求することの重要性について指摘がなされ、また、様々な課題をバランス良く解決するためボトムアップ的な方策の重要性や、省エネ技術進展・普及におけるトップランナーアプローチの有用性などの議論も展開されました。更に、温暖化抑制のみならず適応策が今後益々重要となる中、適応策をリスク管理の枠組みで実施することによって温暖化の脆弱性を減少させるべきとの議論もなされました。
開催概要
- 日 時
- 2012年2月7日(火)10:00~17:40
- 開催場所
- 灘尾ホール(東京)
- 主 催
- 公益財団法人地球環境産業技術研究機構
- 後 援
- 経済産業省
プログラム
世界的な経済危機の影響は長引いておりますが、地球温暖化対策には強い決意を持って着実に取り組んでいかなければなりません。2011年12月の国連気候変動枠組条約第17回締約国会議(COP17)では、2013年以降の地球温暖化対策の国際的枠組みとして京都議定書の第2約束期間を設ける延長と、京都議定書に代わる全ての国を対象国とする新たな枠組みについて2015年までに合意することを主とした「ダーバン宣言」を採択しました。
なお、日本は、京都議定書に留まりつつも第2約束期間には参加しないこととする一方、2015年までに合意し、2020年から発効させることとした新たな枠組みの構築およびその参加に全力を挙げることとしました。しかし、全ての国を対象国とする新たな枠組みを、今後具体的に実効ある形で合意していくためには、世界の経済社会状況と将来の見通しなどを、地域的な差異まで含め、広範かつ深く理解した上で、地球温暖化対策のあり方、枠組み、目標を検討・立案していくことが大切です。
RITEでは、経済産業省の補助事業として「脱地球温暖化と持続的発展可能な経済社会実現のための対応戦略」の研究プロジェクト(通称ALPS: ALternative Pathways toward Sustainable development and climate stabilization)を実施しています。この研究プロジェクトでは、温室効果ガス排出削減を中心とする温暖化緩和、温暖化の影響への適応、更により広く持続可能な発展のために、どのような方策・政策が効果的なのか、またこれらの対策がどのような副次的効果を持つのかに焦点を当てた研究を行っています。
そして、地球温暖化問題研究で世界的に著名なオーストリアの国際応用システム分析研究所(IIASA: International Institute for Applied Systems Analysis)をはじめ、世界の研究機関とも協力しながら研究を進めています。
このたび、本研究プロジェクトの成果報告会として平成23年度ALPS国際シンポジウムを開催致しました。また本シンポジウムには、この分野で活躍している国内外の著名な専門家をお招きし、ご講演頂きました。
各報告者による発表資料が、ダウンロード(PDFファイル)できます。プログラム内の発表標題をクリックして、入手下さい。
10:00 | 開会挨拶 山地 憲治, RITE研究所長 |
10:05 |
来賓挨拶 関 総一郎, 経済産業省 大臣官房審議官(環境問題担当) |
10:10 | "我が国のエネルギー政策と温暖化対応戦略"(pdfファイル531KB) 茅 陽一, RITE理事長 |
10:40 | "世界のエネルギーの見通し:脱炭素と効率革命"(pdfファイル4,425KB) Nebojsa Nakicenovic, IIASA副所長 |
11:20 | "水分野における気候変動への適応策"(pdfファイル3,788KB) 沖 大幹, 東京大学 生産技術研究所 教授 |
12:00 | 休憩 |
13:10 | "エネルギー・環境モデルの比較:過去、現在、未来"(pdfファイル741KB) John P. Weyant, スタンフォード大学 教授 |
13:50 | "地球温暖化のリスク管理と将来枠組み"(pdfファイル1,736KB) 杉山 大志, 財団法人 電力中央研究所 社会経済研究所 上席研究員 |
14:30 | "環境アウトルック2050-気候変動を中心に"(pdfファイル2,227KB) Rob Dellink, OECD 上席研究員 |
15:10 | 休憩 |
15:30 | "気候変動対策および持続可能な発展に向けたエネルギー史からの教訓"(pdfファイル864KB) Arnulf Grubler, IIASA 技術進化プログラム リーダー |
16:10 | "低炭素社会に向けた建築・都市のサステナブルデザイン"(pdfファイル4,560KB) 村上 周三, 独立行政法人 建築研究所 理事長 |
16:50 | "地球温暖化対応と持続可能な発展の総合シナリオ-ALPSシナリオ"(pdfファイル1,799KB) 秋元 圭吾, RITEシステム研究グループ グループリーダー |
17:35 | 閉会挨拶 本庄 孝志, RITE専務理事 |
(司会) |
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お問合わせ
事務局:
〒619-0292 京都府木津川市木津川台9-2
(公財)地球環境産業技術研究機構(RITE) システム研究グループ
TEL: 0774-75-2304 FAX: 0774-75-2317
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