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経済とCO2排出量のデカップリングに関する分析:消費ベースCO2排出量の推計

経済とCO2排出量のデカップリングに関する分析:消費ベースCO2排出量の推計2018年09月26日

GDPとCO2排出は強い正の相関が見られるとされてきましたが、近年になって、その正の相関が見られなくなり、GDPとCO2排出の「デカップリング」が起こってきているのではないかとの指摘が散見されてきています。しかし、例えば、サービス化の進展した国・地域では、国外からの純輸入の拡大によって、見かけ上のCO2排出量(生産ベース;通常の統計におけるCO2排出量)が小さくみえる可能性があり、貿易(純輸入)に体化したCO2を含めた、消費ベースのCO2排出量に目を向けた分析が重要であります。

本報告では、最新の統計データに基づき、2000-2014年の主要国について貿易に体化したCO2排出量を推計し、各国の消費ベースCO2排出量(エネルギー起源)を推計し、グローバル経済の中で主要国の排出量の評価を行い、それらの要因等を分析し、時系列的にどのような推移をたどってきているのかを分析しました。

分析の結果、EUの一部の国(スウェーデンや英国など)やEU平均ではデカップリングに成功しているように見えますが、実際には、産業構造変化により輸入による海外依存が進んだ影響が大きいと推計されました。輸入に体化したCO2排出量は大きく、世界での排出削減にはあまり寄与できていないと見られます。

消費ベースCO2排出量を分析することで、世界全体で実効性のあるCO2排出削減対策を検討していく上で重要な情報になるものと考えています。

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