理事長挨拶
この度、2021年6月に理事長に就任いたしました山地憲治でございます。
RITEは、1990年に我が国が提唱した「地球再生計画」に基づき、地球温暖化問題に対する革新的な環境技術の開発などを国際的に推進する中核的研究機関として設立されました。これまでCO2回収・貯留(CCS)技術、バイオリファイナリー技術の開発、温暖化対策のシステム分析など、地球環境とりわけ地球温暖化問題に特化した独自性の高い研究を行う機関として国内外で広く知られるに至っています。また近年では米国やヨーロッパなどの研究所との共同研究推進や気候変動に関する政府間パネルであるIPCCへの参加など国際的な活動も大きく広がってきています。
これらの研究・活動は、もとより当機構のみの努力ではなく、関係諸機関・諸大学各位の多大なるご協力を得てはじめて円滑に進み得たものであります。2020年には設立30周年を迎えることもでき、各位にあらためて感謝申し上げます。
振り返ってみれば1992年の地球サミットで採択された気候変動枠組条約成立、97年のCOP3を経ての2005年の京都議定書発効、15年のCOP21で合意されたパリ協定の16年発効、そして20年の我が国の「2050年カーボンニュートラル(脱炭素社会)実現」宣言まで、地球温暖化問題への取り組みは大きく展開してきました。
地球温暖化問題は今後大きな転換が想定されるエネルギー需給構造を踏まえて、SDGsにおける地球温暖化問題以外のゴール実現とのバランスを図りながら解決していく必要があります。脱炭素社会の実現は、環境技術のイノベーションだけでなく、デジタル技術を活用したソサエティ5.0のような社会イノベーションとの連携と合わせて展望が拓けると考えています。
イノベーションが拓くエネルギー・環境の新時代に向けて当機構も貢献してまいります。各位におかれましては、今後とも当機構へ忌憚のないご意見やご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
公益財団法人地球環境産業技術研究機構
理事長 山地 憲治