地中貯留プロジェクト CO2地中貯留プロジェクト(二酸化炭素地中貯留技術研究開発)

RITE

海外での動向
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> 世界におけるCO2地中貯留技術の現状

 世界各国で以下のようにCO2地中貯留技術が実用化されつつあります(経済産業省「CCS2020」)。

1.
実用化
1) 天然ガス随伴CO2の帯水層貯留
・
Sleipner (ノルウェー) 100万トン-CO2/年
・
In Salah (アルジェリア) 120万トン-CO2/年
2) 石炭ガス化炉発生CO2のEOR利用
・
Weyburn (カナダ) 100万トン-CO2/年
2.
計画中:天然ガス随伴CO2の帯水層貯留
・
Snohvit (ノルウェー) 75万トン-CO2/年
・
Gorgon (オーストラリア) 500万トン-CO2/年
3.
日本の実験例:長岡での帯水層貯留(1万トン-CO2

CO2地中貯留の海外プロジェクト例
  ノルウェー
Sleipner
カナダ
Weyburn
アルジェリア
In Salah
オーストラリア
Gorgon
実施主体 Statoil カナダ石油
技術センター
(PTRC)
BP Chevron
ExxonMobil
Shell
場所 ガス田上の
帯水層
油層 (EOR) ガス田 帯水層
海域 陸域 陸域 陸域/海域
開始時期 1996年10月 2000年9月 2004年7月 2008年予定
注入レート
(国内総排出量比)
100万トン/年
(2.9%)
100万トン/年
(0.2%)
120万トン/年
(1.7%)
500万トン/年
(1.5%)
総量 2000万トン 2000万トン 1700万トン -
CO2 天然ガス随伴 石炭ガス化炉 天然ガス随伴 天然ガス随伴

主な商業プロジェクト
(出典:Paul Freund's Presentation in RITE's workshop)


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> ノルウェー:Sleipnerプロジェクト

 Sleipnerプロジェクトは、Statoil社によって1996年より商業ベースで20年間の実施を予定しています。また、別途CO2モニタリングのためのSACSプロジェクトを1998年より実施しています。

 CO2の分離回収と圧入は、北海の海上プラットフォームにて行われています。北海にある天然ガス層から天然ガスを採掘するとき、同時にCO2が不純物として混じってきます。これらを分離して、天然ガスは陸へ輸送、CO2は帯水層に圧入されています。

Sleipnerプロジェクトの概要
(参考:http://www.ieagreen.org.uk/


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> カナダ:Weyburnプロジェクト

 Weyburnプロジェクトは、カナダ連邦政府および州政府によって2000年より商業ベースで20年間の実施を予定しています。また、別途CO2モニタリングのためのプロジェクトを2000年より実施しています。

 カナダでは、大量のCO2を排出しているアメリカの工場からCO2だけを輸送して、深さ1,000メートル程にある油層にCO2を圧入してます。これによって、原油の粘性が弱まって原油の回収がしやすくなると同時に、CO2を油層に貯留しています。

Weyburnプロジェクトの概要
(参考:http://www.ieagreen.org.uk/


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> アルジェリア:In Salahプロジェクト

 In Salahプロジェクトは、国営炭化水素公社ソナトラック社、BP社、Statoil社によって実施されている、アルジェリア国内の複数のガス田から最高10%のCO2を含む天然ガスを回収するプロジェクトです。

 年間100万トンのCO2を分離回収し、地下1,800mの石炭紀砂岩層に再注入しています。プロジェクト実施期間中に1,700万トン以上のCO2を地中貯留する予定です。



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> オーストラリア:Gorgonプロジェクト

 Gorgonプロジェクトは、Chevron、ExxonMobil、Shellの三社によって2009年より商業ベースでの実施を予定しています。CO2圧入量は、年間500万トンを予定しています。

 天然ガス層から天然ガスを採掘する時、同時にCO2が不純物として混じってきます。これらをバロー島にあるプラントで分離して、天然ガスは本土へ輸送、CO2は島の下の帯水層に圧入する予定です。

Gorgonプロジェクトの概要
(参考:http://www.gorgon.com.au/


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