研究分野、シーズ技術

CO2分離用有機高分子膜

 膜分離法は、圧力差によって分離膜の供給側から透過側へCO2を透過・分離する分離法です。

 RITEと住友化学株式会社が組合員である次世代型膜モジュール技術研究組合(MGM組合)では、高密度のアミノ基を有するポリアミドアミンデンドリマー(中心から規則的に分岐した構造を持つ樹状高分子)を用いた新規な高分子系材料が優れたCO2とH2の分離性能を有することを見出し、このデンドリマーと架橋型高分子材料の分離機能層を有する複合膜(分子ゲート膜)の開発を行ってきました。分子ゲート膜の概念図を示します。

mgmfilm.png

 透過機構としては、加湿条件で、膜中に取り込まれたCO2が膜中のアミノ基とカルバメートや重炭酸イオンを形成し、分子サイズの小さなH2の透過を阻害することで、従来のCO2分離膜では分離が難しかったCO2とH2を効率良く分離できると考えています。また、高圧条件への適用のために、ポリビニルアルコール(PVA)系の架橋高分子マトリクスを使用し、十分な耐圧性を有する膜材料を開発しました。

 MGM組合では、高圧でのCO2/H2分離プロセス(圧力差:2-4 MPa)であるCO2分離回収型石炭ガス化複合発電(IGCC)プロセスやCO2回収型小型中圧水素製造装置への適用を目的としたCO2分子ゲート膜の開発を行ってきました。

IGCC.png

                     (a)IGCC

H2plant.png

                    (b)水素製造プラント

 2024年度からは三菱化工機株式会社と共同で、CO2回収型小型中圧水素製造装置の実用化に向けた研究開発を始めました。

Back to PageTop