膜によるガス分離では、1970年代後半の水素分離膜の実用化以来、有機高分子膜が主に用いられてきましたが、近年は高選択かつ高透過性のガス分離膜としてシリカ膜、ゼオライト膜、パラジウム膜などの無機膜への期待が高まっています。
分離膜と触媒を組み合わせた膜反応器の構成にすることで、反応率の向上やシンプルなシステムを実現することも可能です。
高温・高圧に耐えうる無機膜は適用範囲が広く、顕在化されていない分離系も多く存在します。
CO2を資源として有効活用するカーボンリサイクルにおいても、CO2分離、水素分離、脱水等の用途において、無機膜の適用可能性は高いと考えています。