研究分野、シーズ技術

炭酸塩固定化(鉱物化)技術の開発

 CO2鉱物化(CO2 mineralization)は、ネガティブエミッション技術の一つである風化促進(Enhanced weathering)の要素技術であり、CO2をアルカリ土類金属と反応させ、化学的に安定な炭酸塩として固定化する技術です。更に近年は、カーボンニュートラル社会の早期実現に向けて、CO2を資源として有効活用する技術課題への注目が高まっており、産業分野の廃棄物や副産物に含まれるアルカリ土類金属を用いたCO2炭酸塩固定化技術の研究開発が国内外で進められています。

 RITEは、CO2を炭酸塩として固定化する技術において、長年にわたり培ってきた独自プロセスを保有しています。2020年からは、民間企業との共同研究により、鉄鋼スラグ、廃コンクリート等から湿式でアルカリ土類金属を抽出し、工場等から排出されるCO2を、安定した化合物である炭酸塩として回収する技術開発、生成した炭酸塩の有効技術の開発に取り組んでいます。

 

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 本プロセスにおいて、これまで、反応温度の低下と反応時間の短縮による省エネ化、一度使用した液を再度使用するプロセス(再生液適用)を確立しました。そして、スケールアップが可能なプロセスであることも明らかにしました。加えて、抽出時に使用する液を改良することで、材料コストの低下も期待できます。現在、これまで明らかにしてきた知見と情報を基に、本プロセスの事業化を目指した検討を行っています。

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