開発テーマ

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高圧用疎水性CO2吸着剤

常圧ガスからのCO2分離に用いられる固体吸収材・吸着剤はCO2吸着能力に優れるが、脱着に際しての真空ポンプによる減圧操作や加熱が必要です。そこで最近、我々は高圧でのCO2吸着量が多く、また共存水蒸気の影響を受けない新しい吸着剤を開発しており、現在本吸着剤を利用した高圧ガスからのCO2吸着分離プロセスの実現可能性の評価を実施中です。ゼオライト13XはCO2分圧が300kPa程度で吸着量がほぼ飽和に達してしまうため、高圧(1.6MPa)から常圧(0.1MPa)への圧力スイングでは、CO2を効率的に回収することはできず、乾燥条件下でも1.5mol/kg程度の回収量しか期待できないが、新規に開発した吸着剤(RITEsorb-1)は3MPa程度まではCO2分圧の増大とともにCO2吸着量が増大し、高圧(1.6MPa)から常圧(0.1MPa)への圧力変動によるCO2吸着量差が非常に大きく、また、ほとんど水蒸気の影響を受けないことを明らかにしています。高圧ガスに本吸着剤を用いたPSA法を適用すると常圧に戻すだけで吸着したCO2が回収できるため、真空ポンプおよび除湿プロセスが不要となることから装置のコンパクト化とCO2分離回収工程の大幅なコスト低減が期待できます。これまでに実際にCO2/N2およびCO2/H2流通混合ガスからCO2を高選択的に分離可能なことを確認しました(図)。そこで今後、小型の2塔式連続吸着分離試験装置を用いてプロセスの有効性を実証する予定です。


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