イベント情報
革新的CO2膜分離技術シンポジウム ~温暖化防止に貢献する膜分離技術の最新動向~(2012年9月28日開催)開催結果
CO2回収・貯留(CCS:Carbon dioxide Capture and Storage)は、温室効果ガスの大気中への排出削減効果が大きいこと等から、地球温暖化対策の重要な選択肢の一つと期待されています。その中で、次世代型膜モジュール技術研究組合は、今後効率的な石炭ガス化発電として期待されているIGCC等で発生する圧力を有するガス用の低コストで革新的な二酸化炭素分離膜の開発(二酸化炭素分離膜モジュール研究開発事業)を経済産業省からの委託事業として進めています。
今回のシンポジウムでは、基調講演として、RITE山地研究所長より「エネルギー・環境問題とCCS」と題して、昨今の情勢からCCSへの期待の高まり、日本のCCSへの取り組み状況、今後日本が取るべきエネルギー政策再構築について、講演しました。続けて当該技術研究組合研究推進委員長・広島大学 都留教授より、膜分離技術、特に各種CO2回収プロセスへの膜技術の最新動向について解説頂くと共に、将来展望として新規材料膜の開発と応用展開について紹介頂きました。
また、海外の開発状況について、昨年のシンポジウムで要望の高かった、米国MTR社および欧州オランダECN社からCO2回収技術の最新動向について講演頂きました。MTR社Dr.Merkel氏からは、燃焼前・燃焼後のCO2回収プロセスのための、MTR社における膜材料及びプロセス設計、発電所における実証試験について紹介頂くとともに、今後の新規分離膜への取り組みについても言及頂きました。ECN社Dr.Vente氏からは、燃焼前CO2回収のオプションとして、ECN社におけるCO2からの水素分離技術の開発状況、特にパラジウム薄層貴金属膜の実証試験状況について紹介頂きました。
最後に当該技術研究組合 中尾専務理事から、当組合が開発しているCO2分子ゲート膜ならびに膜モジュールの開発状況について報告致しました。
以上、これらの各講演を通じて、CO2分離に関心を持たれる方々に最新の情報をお伝えすることにより、官民挙げてのCO2削減に資する研究開発活動に対しまして、ご理解を深めて頂けたことと存じます。シンポジウムは147名が参加され、活発に質疑応答がなされるなど盛況理に終了しました。
ご来場頂きました各位、シンポジウム開催にご協力賜りました各位に、改めて御礼申し上げます。
(本ページは次世代型膜モジュール技術研究組合の組合員を代表してRITEホームページに掲載いたします。)
開催概要
- 日 時
- 2012年9月28日(金) 13:00~17:00(受付開始12:30)
- 会 場
- 第一ホテル東京 5階 ラ・ローズ(東京都港区新橋1-2-6)
- 主 催
- 次世代型膜モジュール技術研究組合
- 共 催
- 経済産業省
- 後 援
- 日本CCS調査株式会社、Global CCS Institute、 公益社団法人新化学技術推進協会(JACI)
- 協 賛
- 日本膜学会、公益社団法人化学工学会
- 参加者数
- 147名
プログラム
13:00 ~ 13:05 | 開会 技術研究組合 事務局 倉橋 尚美 |
13:05 ~ 13:10 | 主催者挨拶 技術研究組合 理事長 河野 治 |
13:10 ~ 13:50 |
基調講演 「エネルギー・環境問題とCCS」 (公財)地球環境産業技術研究機構 所長 山地 憲治 |
13:50 ~ 14:30 |
膜技術基調講演 「膜分離技術の現状と将来展望」 技術研究組合研究開発推進委員会委員長 広島大学 教授 都留 稔了 |
14:30 ~ 15:10 |
特別招聘講演 「北米における二酸化炭素分離膜の研究開発について」 Director of the MTR Research and Development Group Dr. Tim Merkel |
休憩 | |
15:30 ~ 16:10 |
特別招聘講演 「欧州における膜技術の研究開発について」 Group Leader and Technology Transfer Manager of ECN Dr. Jaap Vente |
16:10 ~ 16:50 |
「次世代型膜モジュール技術とは」 技術研究組合 専務理事 中尾 真一 |
16:50~16:55 | 閉会挨拶 技術研究組合 理事 時任 康雄 |
16:55~17:00 | 閉会 技術研究組合 事務局 倉橋 尚美 |
その他; 膜モジュール ポスター等の展示も実施。