研究内容

  1. バイオ研究グループ HOME>
  2. コア技術・基盤技術

コア技術・基盤技術

応用研究で優れた成果をあげるには、その分野における基礎的知見の蓄積、最先端技術の所持といったノウハウが重要なポイントを占めます。当研究グループでは、アミノ酸、有機酸生産に使われている有用工業微生物である「コリネ型細菌」の活用、細胞内環境の把握と有用な形質の付与に必須となる精密「代謝工学」、およびRITE独自の生産技術である「RITE Bioprocess(増殖非依存型バイオプロセス)」の3つをコア技術・基盤技術と位置付け、研究・開発の基盤としています。

ゲノムは微生物細胞を構成する設計図であり、ゲノム情報はその生き物を理解し理論的な改良を加える研究に際して欠くことが出来ません。当研究グループは主な研究対象としてコリネ型細菌に着目し、Corynebacterium glutamicum R株の全ゲノム解読を独自に行いました。得られたゲノム情報は代謝改変、代謝解析において中核的な役割を担います。

代謝改変によるバイオプロセスの開発には、原料とする糖類から目的化合物生成に至る代謝経路の構築・強化だけでなく、酸化還元バランスの調整や生産物(代謝中間産物)毒性に対する耐性強化など、細胞内・外の環境変化に対する頑健性を向上させることが求められます。このため、宿主微生物における糖代謝系、エネルギー生成系、補酵素再生系などの代謝制御機構に加え、各種ストレス(酸化・還元ストレス、酸・アルカリストレス、熱ストレス、浸透圧ストレスなど)応答制御機構を包括的に理解することが極めて重要です。このゲノムワイドな遺伝子発現制御ネットワークの理解は代謝改変における遺伝子発現レベルの最適化技術の基盤として不可欠です。

当研究グループでは、コリネ型細菌のゲノム情報に基づき、物質代謝や細胞複製に関与する様々な遺伝子の機能と発現制御機構の解析を行ってきました。遺伝子発現制御因子の活性化機構を明らかにし、また、その欠損/活性化の影響をゲノムワイドに解析することにより、本菌のユニークな遺伝子発現制御ネットワークが見えてきます。これらの基礎的知見と代謝工学技術、解析技術のノウハウの蓄積を基盤として新たに生み出した高効率な有用化合物生産菌株を用いて増殖非依存型バイオプロセスを行うことにより、他のプロセスを大幅に上回る高い生産性を示す、実用的なバイオリファイナリー研究を数多く行っています。

微生物の環境応答・代謝制御系と代謝工学的改変手法によるバイオ燃料・グリーン化学品生産株の構築

Pagetop