人類は、環境破壊や地球温暖化と引き換えに豊かさを得てきました。しかし、これ以上の環境破壊は避けねばなりません。このためには、環境への負荷が少ない製品やプロセス(グリーンプロダクト・グリーンプロセス)の追求が欠かせません。電子機器類や自動車、繊維をはじめ、身近にあるさまざまな製品の基礎材料となりうる「グリーン化学品」の生産系を確立することは大変重要と言えます。
石油に依存した化学品は多くの場合、高温・高圧条件下で生産されます。エネルギーを大量に消費し、廃液やCO2排出量も多大である場合が多いと言えます。他方、バイオプロセスを利用した「グリーン化学品」の生産は常温・常圧で行われ、環境に優しいメリットがあります。
当研究グループは、独自に開発し改良を続けている「RITE Bioprocess」や「スマートセル創製技術」、「データ駆動型の酵素選抜・改変技術」等の最新技術を利用し、食糧と拮抗しない再生可能な非可食バイオマス原料から様々なグリーン化学品の高収率・高生産とそのプロセス開発を目指して基礎研究から応用研究まで精力的に研究を進め、鎖状化合物から芳香族化合物生産まで幅広く展開しています。