研究内容

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グリーン化学品生産

有機酸

コリネ型細菌を酸素抑制条件下におくと代謝シフトがおこり、乳酸やコハク酸などの有機酸を生成することが知られています。当研究グループでは、代謝工学的改変手法によりコリネ型細菌の有機酸生産能を更に向上させ、また、混合糖利用能を付与するなどして、非可食バイオマスから乳酸やコハク酸を生産する菌株の開発に取り組んでいます。

乳酸

乳酸は生分解性プラスチックとして広く用いられているポリ乳酸の原料として注目されています。乳酸のうちL-乳酸から作られるポリL-乳酸は、耐熱性や耐久性の問題から用途が限られています。これに対して、ポリL-乳酸とポリD-乳酸を原料としたポリDL-乳酸ステレオコンプレックスは、ポリL-乳酸より優れた耐熱性を有するものの、D-乳酸の高い製造コストが市場拡大の妨げとなっています。当研究グループでは、D-乳酸を高効率かつ高生産する菌株の開発に成功しており、非可食バイオマスであるコーンストーバー糖化液からのD-乳酸生産にも成功しています。

コハク酸

コハク酸は主に石油化学プロセスにより生産されていますが、生産コストが高く、生産量及び用途が食品添加物、医薬品中間体、キレート剤原料などに限定されてきました。バイオプロセスによってより安価な生産が可能となれば、1,4-ブタンジオール、アジピン酸、テトラヒドロフランなど様々な汎用化学品の原料として、さらにポリブチレンサクシネート(PBS)などのポリマー原料としての展開も見込まれておりコハク酸生産のバイオプロセス化が近年注目されています。

微生物によるバイオコハク酸生産は、二酸化炭素を吸収する反応経路を含むため、近年の生産プロセスのカーボンニュートラル化を鑑みても重要性が増しており、現在、コハク酸バイオプロセスの実用化に向けて研究を推し進めています。

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