事業内容
「ビヨンド・ゼロ」を可能とする技術を2050年までに確立することを目指す「革新的環境イノベーション戦略」のイノベーション・アクションプランを後押しするための制度の一つとして2020年度にNEDO「ムーンショット型研究開発制度」がスタートしました。
RITEは、この中の目標4「2050年までに、地球環境再生に向けた持続可能な資源循環を実現」の「(1)温室効果ガスを回収、資源転換、無害化する技術の開発」において、貯留技術と組み合わせることでカーボンニュートラル実現のために重要なネガイティブエミッション技術となる、大気中からのCO2直接回収(DAC:Direct Air Capture)の実用化に向けて、分離回収エネルギーを大幅に低減するCO2 吸収材とシステムを、本事業で金沢大学および三菱重工業株式会社と連携して開発しています。
図 大気中からの高効率CO2回収・炭素循環技術の開発
RITEはこれまでの知見を活かし、大気中のCO2を効果的に吸収・脱離する新たなアミンの開発を実施するとともに、大量の空気を通過させることができるように固体吸収材をハニカム等の圧力損失の少ない構造体にする技術についても検討を進めています。DAC用に開発したアミンおよび担体を用いて、実際にRITE周辺の外気を流通させて様々な環境を想定した性能評価試験を実施しています。
図 DACラボ試験装置
更に、実機で使用されるサイズの固体吸収材構造体を評価できるDACシステム評価装置をRITE敷地内に設置し、スケールアップを見据えた研究開発を実施しています。
図 DACシステム評価装置の概念図(上)と装置を設置したDAC実験棟(下:RITE敷地内)
経済的に受容可能なDACを実現するには材料開発だけでなく、プロセス開発も重要です。RITEでは最適な運転プロセスを効率的に探索するため、シミュレーション技術を活用しています。