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IIASA-RITE国際シンポジウム2008―地球温暖化と持続的発展(Global Warming and Sustainable Development)―

IIASA-RITE国際シンポジウム2008―地球温暖化と持続的発展(Global Warming and Sustainable Development)―

開催結果

 IIASA-RITE国際シンポジウム2008を下記のように開催いたしました。企業、官公庁、大学、研究機関、その他団体等から約230名が参加し、地球温暖化と持続的発展に関して、活発な議論がなされました。

開催概要

日 時
2008年2月18日(月)13:00~17:00
開催場所
経団連会館 11階 国際会議場 ゴールデン・ルーム(東京)
主 催
財団法人地球環境産業技術研究機構(RITE)
国際応用システム分析研究所(IIASA)
IIASA日本委員会
後 援
経済産業省

プログラム

 地球温暖化は人類にとって今世紀最大の課題の一つであり、人類の英知を結集してこの解決に取り組んでいかなければなりません。当機構でも温暖化防止のための革新的技術開発に取り組むとともに、この問題へのグローバルな対応戦略に関する研究を行っております。

 IPCC第4次評価報告書でも指摘され、また、COP13のバリ行動計画にも記載されているように、地球温暖化問題の解決にあたっては、この問題をより大きく経済・社会の発展という文脈で把握することが重要です。そのため、今年度より新しく通称アルプスという研究プロジェクトを立ち上げ、地球温暖化の問題を持続的発展社会の実現というより大きな枠組みで捉えることによって、真に実効性のある対応策を見出そうとする研究を開始しました。

 本国際シンポジウムは、このアルプスプロジェクトの狙いをはじめ今年度の研究成果を報告するとともに、国内外から著名な研究者を招聘し関連研究について講演いただき、地球温暖化に関わる研究者のみならず広く行政機関や企業、一般の方々の交流の場とすることも目的としております。

 各報告者による発表資料が、ダウンロード(PDFファイル)できます。プログラム内の発表標題をクリックして、入手下さい。

13:00

開会挨拶

茅 陽一 RITE研究所長・IIASA日本委員会委員長

13:05

来賓挨拶

経済産業省

13:10 "Costs and Benefits of Emissions Mitigation and the Value of Technology"(pdfファイル3,397KB)
Professor Nebojsa Nakicenovic, Leader, Energy Program and Transition to New Technologies Program, Co-Leader, Greenhouse Gas Initiative, IIASA
〔発表主旨:20世紀中の気温上昇や海面上昇が観測されていること、そして、対策を打たなければ21世紀末に1990年比1.4~5.8℃気温が上昇することを説明。一方、世界には、食糧や電力等へのアクセスが十分でない人が多いことを指摘。これらの課題を解決しSustainable developmentな社会を構築するには、技術、政策枠組み、人の行動で、パラダイム変化が必要とした。 また、日本の太陽光発電コストが基礎研究から応用研究、実証の段階を経て大幅に低減した例を示し、技術のRD&D及び普及のための投資は、温暖化緩和コストの削減につながりうる事、等が述べられた。〕
13:50 "Modeling Energy Demand and Deforestation Measures: Technological Change, Transaction Costs, and Alternative Baselines"(pdfファイル578KB)
Dr. Jayant A. Sathaye, Senior Scientist and Leader, International Energy Studies Group, Lawrence Berkeley National Laboratory
〔発表主旨:IPCC-AR4 WGIIIで取りあげられたエネルギーモデルの計算によると、建築部門でCO2の削減ポテンシャルが大きいこと等を説明。これらのモデルの結果は、政策的示唆に富んでいるが、現実的な問題(例えば、地主とテナントの関係)を反映出来ていない点もあり留意が必要であることを指摘。この他、エネルギー消費以外のコスト(例えば、廃棄物処理のコスト)も含めたLCA的な評価の必要性も提起。その他、モデルが示唆する事として、森林伐採抑制は炭素価格の低減につながる可能性があるが、基準年の設定によって伐採面積も大きく異なり、不確実性が大きい事などが述べられた。〕
14:30 "安全保障、経済成長、地球環境:エネルギー戦略におけるシナジーとトレードオフをどう解決するか"(pdfファイル167KB)
杉山大志 (財)電力中央研究所 社会経済研究所 温暖化防止政策の分析と提言 重点課題責任者
〔発表主旨:持続可能な発展(ここでは、エネルギーセキュリティ)と気候変動対策のシナジー、トレードオフの関係について、電化を例に説明。その効果を計るものとして、エネルギー指標について言及。従来のエネルギー指標は「海外からのエネルギー調達に関する撹乱からの防護」という視点が強く、電気の「燃料を選ばない」「短期的な燃料調達可能量変動に対応できる」というメリットをうまく評価出来ない(過小評価)事などが指摘された。〕
12:20 休憩
15:25 "持続可能性および脱温暖化から見た運輸部門の課題"(pdfファイル1,130KB)
小林茂樹 (株)豊田中央研究所 シンクタンク室 主席研究員
〔発表主旨:持続可能なモビリティについて、持続可能な発展のための世界経済人会議(WBCSD)のレポートを引用しながら説明。バイオ燃料に関し、供給可能料、製造コスト、土地利用変化によるCO2排出等の課題があることが説明された。〕
15:55 "世界の食糧生産―2050年の展望とバイオマスエネルギー"(pdfファイル1,505KB)
川島博之 東京大学 大学院 農学生命科学研究科 准教授
〔発表主旨:20世紀後半の人口、穀物の生産量、栽培面積、単収、飼料消費量、食肉消費量のトレンドを基に2050年の食肉需要予測(食文化を考慮すると、飼料を多消費する牛肉の需要は心配するほど伸びないであろう等)が示された。バイオエネルギーについては、まだまだ価格が高く、普及は簡単ではないという見解も述べられた。〕

15:00

休憩
16:25 "脱地球温暖化と持続的発展可能な経済社会実現の対応戦略策定に向けて―ALPSプロジェクト―"(pdfファイル707KB)
秋元圭吾 RITEシステム研究グループ グループリーダー
〔発表主旨:温暖化政策は、持続可能な発展政策とのシナジーを追求していくことが必要であり、ALPSプロジェクトでは、その明確な指針となる叙述的なシナリオとそれと整合した定量的なシナリオを構築していく予定、等が説明された。〕
16:55 閉会挨拶
樋口正治 RITE専務理事

お問合わせ

事務局:
〒619-0292 京都府木津川市木津川台9-2
(財)地球環境産業技術研究機構(RITE) システム研究グループ
TEL: 0774-75-2304  FAX: 0774-75-2317

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