2023年度ALPS国際シンポジウム-グリーン経済政策への主要先進国での取り組み動向と気候変動対策の展望-【開催結果】
RITEでは、経済産業省の委託事業として「地球温暖化対策技術の分析・評価に関する国際連携事業」(通称ALPS: ALternative Pathways toward Sustainable development and climate stabilization)を実施しています。この研究事業では、グリーン成長に資する国際枠組み、国際戦略立案に資する研究を進めており、また長期の気候変動リスクにどう対応するか、について検討を行っています。カーボンニュートラル実現のためには、再生可能エネルギー、原子力、CO2回収貯留(CCS)、水素系エネルギー、そして大気中CO2回収技術(DAC)なども含め、様々な対策が必要です。また、様々な省エネは引き続き、重要な対策と考えられ、更にデジタルトランスフォーメーション(DX)によって誘発されるサーキュラー・シェアリングエコノミーなどは、エネルギー需要量を低減できる大きな社会変化の可能性を有しています。グリーントランスフォーメーション(GX)実現に向けて、このような様々な対策の貢献がどのように期待できるのかについて、定量的かつ包括的なシナリオ分析等を行っています。そして、地球温暖化問題研究で世界的に著名なオーストリアの国際応用システム分析研究所(IIASA: International Institute for Applied Systems Analysis)、米国の未来資源研究所(RFF: Resources for the Future)、国際エネルギー機関(IEA)をはじめ、世界の研究機関とも協力しながら研究を進め、我が国の気候変動政策の立案、IPCCやCOPでの国際的な議論に貢献することを目的としています。
現在、世界では2050年カーボンニュートラルに向けた排出削減と経済成長・産業競争力強化を共に実現していくため、GXへの取り組みを加速させています。我が国においては、2023年2月に「GX実現に向けた基本方針」が、7月には「GX推進戦略」が閣議決定され、12月には「分野別投資戦略(案)」の予算額等もとりまとめられ、投資促進策の具体化に向けた方針が明らかにされています。世界各国においても、米国では22年8月に成立した「インフレ削減法(IRA)」にて、気候変動対策として国による約50兆円の予算が充てられ、EUでは23年2月発表の「グリーンディール産業計画等」により、官民で約140兆円の投資誘導を見込むなど、投資促進政策の動きが加速しております。
このようなGX実現に向けた取り組みの現状、実現への課題について焦点を当て、また本研究事業の成果報告会を兼ねて2023年度 ALPS国際シンポジウムを開催しました。本シンポジウムでは、欧米の著名な専門家による、世界のGX実現に向けた展望を様々な視点から紹介いただきました。最新の研究成果を皆様の取り組みへの参考にしていただくきっかけの一つになったと思います。
講演者(上段左から右へ、プログラム順、パネルディスカッション)
開催概要
- 日 時
- 2024年3月8日(金) 10:00~(受付開始9:30)
- 開催場所
- 虎ノ門ヒルズフォーラム ホールB(4F)およびWEB配信
- 主 催
- 公益財団法人地球環境産業技術研究機構(RITE)
- 共 催
- 経済産業省
- 参加費
- 無料
- 申込締切
- 2024年3月1日(金)
- 言 語
- 日本語、英語(同時通訳あり)
プログラム
印刷用リーフレットはこちら
10:00 | 開会挨拶 山地 憲治, RITE 理事長 |
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10:05 | 挨拶 小林 出, 経済産業省 大臣官房審議官(環境問題担当) |
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10:15 | 趣旨説明 秋元 圭吾, RITE システム研究グループ グループリーダー |
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趣旨説明 | ||
10:30 | 【パネル討論】"主要国における環境・エネルギー政策(米:IRA、日:GX、EU:グリーンディールやCBAM)の動向について" | |
モデレーター:Dr. Nebojsa Nakicenovic, Distinguished Emeritus Scholar and Former Deputy Director General, IIASA | ||
パネリスト:Dr. Robert Stavins, A.J. Meyer Professor of Energy and Economic Development, Harvard University | ||
CV 要旨 講演資料 | ||
Dr. David Victor, Professor, UC San Diego | ||
CV 要旨 講演資料 | ||
Dr. Massimo Tavoni, Director, EIEE | ||
CV 講演資料 | ||
有馬 純, 東京大学公共政策大学院 特任教授 | ||
CV 要旨 講演資料 | ||
12:20 | 休憩 | |
13:20 | "米国と中国の次期NDC" 上野 貴弘, 一般財団法人電力中央研究所 社会経済研究所 研究推進マネージャー(サステナビリティ) ・ 上席研究員 |
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CV 要旨 講演資料 | ||
14:10 | "EU policies to be the first carbon-neutral continent in the transforming world" Dr. Nebojsa Nakicenovic, Distinguished Emeritus Scholar and Former Deputy Director General, IIASA |
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CV 要旨 講演資料 | ||
15:00 | "Energy security in clean energy transitions: Insights from the World Energy Outlook 2023" Dr. Stéphanie Bouckaert, Head of Demand Sectors Unit, World Energy Outlook, IEA |
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CV 要旨 講演資料 | ||
15:50 | "気候変動対策・政策のギャップの理解と今後の対策の展望" 秋元 圭吾, RITE システム研究グループ グループリーダー |
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CV 要旨 講演資料 | ||
16:40 | 閉会挨拶 本庄 孝志, RITE 専務理事 |
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16:50 | 閉会 |
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