「国際産業経済の方向を含めた地球温暖化影響・対策技術の総合評価」(通称:PHOENIX)
PHOENIXの概要
研究概要
- PHOENIXでは、地球温暖化影響を考慮した、世界と日本の21世紀半ば頃までの地球温暖化対応戦略を総合評価し、温暖化緩和策のうち近未来については国際産業経済の変化も含めて提示することを目標としています。
- 具体的には、温暖化の影響被害の大きさと温暖化緩和のコストの双方を考慮し、現在の諸知識から最も望ましいと考えられる排出抑制目標パスおよびその時の温暖化影響の大きさと温暖化緩和策の内容・コストを明示します。このため、大気中CO2濃度を様々なレベルに安定化する排出パスを取り上げ、これらについて各種影響事象の被害の定量化および安定化排出パスへ排出削減するに要するコストとその削減策の具体的内容の評価を実施しています。
- これらの結果から望ましい排出パスを選定するには、各種影響被害と緩和コストの比較評価が必要ですが、これらは尺度が異なることから、最終的には意思決定者の価値判断に基づく一元的な尺度による評価が不可避となります。従来の費用便益分析では、しばしば影響事象を個別に金銭換算評価し、これを積み上げることで全体的な評価を行う手順が取られてきましたが、この手順は、価値判断が評価のプロセス中に分散し自然科学の知見との境界が不明瞭になる問題があります。 これに対し、PHOENIXでは、価値判断の所在を明確にするため、これを最終段階で一括して行う手順を取っています。そして、温暖化の影響と緩和についての評価結果を整理し、これらの結果から専門家に上記比較評価と望ましい排出パスの選定の価値判断(エキスパートジャッジメント)を依頼する予定です。
- これら一連の研究によって、UNFCCCの「究極目標」としての濃度安定化レベルを定めるための合理的な考え方を示し、それに基づき現時点で合理的と考えられるレベルを示すと共に、それを実現するための具体的な方策を示します。
より詳細な概要は、以下を参照下さい。なお、引用される場合は、RITEシステム研究グループ(E-mail: sysinfo(注)E-mailアドレスは、末尾に"@rite.or.jp"がつきます。))の許可を得て下さい。
- PHOENIXの背景・アプローチおよび主に温暖化影響に関するもの(pdfファイル 1533KB)
- PHOENIXの総合評価、エキスパートジャッジメントによるアプローチに関するもの(pdfファイル 508KB)