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研究内容(プロジェクト)

地球温暖化対策技術の技術評価に関する研究

研究概要

概要
  • 地球温暖化対策技術・エネルギー関連技術の評価システムとして、技術間の開発優先度に関する定量的評価(技術重要度評価)と個別技術の技術開発プロセスの分析評価との2つのアプローチを採用することとしました。
  • 技術の重要度評価については、我が国の将来における、ある想定条件下での種々の地球温暖化対策・エネルギー関連技術の最適導入量等を計算するための数理計画モデルを開発しました。そこでは、エネルギー転換部門および最終エネルギー需要部門(産業部門、民生部門および運輸部門)で利用される高効率エネルギー利用技術やCO2回収・貯留技術等の主要な対策技術を網羅し、その技術間の優劣を評価できるようにしました。(詳しくは、こちらをご覧下さい。)
  • 技術開発プロセス分析の評価手法としては、GERT手法を採用し評価システムの開発を行いました。評価例として、熱効率の異なる複数の石炭ガス化複合発電(IGCC)、液化天然ガス複合発電(LNGCC)技術を取り上げ、技術開発の現状や動向等の調査を基に、要素技術への分解を行うと共に、分解した要素技術を用いて開発プロセスを、GERT(Graphical Evaluation and Review Technique)に基づいたネットワークチャートで表現しました。そして、実際に要素技術開発期間に関する見通し等のデータを専門家へのアンケートを通して収集し、それを基にIGCC等の地球温暖化対策・エネルギー関連技術の開発時間、実現確率や技術開発の鍵を握る要素技術等を明確化するなどの分析・評価を行いました。また、CO2分離・回収技術、高温形燃料電池発電技術、超電導電力応用技術、固体高分子形燃料電池(PEFC)技術といった技術についても、同様の評価を行いました。(詳しくは、こちらをご覧下さい。)
  • 更には、これら技術重要度、技術開発プロセスの2つの評価を同時に整合性をもって評価できる新たな評価手法の提案も行いました。

技術重要度評価システム 技術開発プロセス分析評価システム

評価システムの想定利用者と利用場面
  • 本研究で開発した技術評価システムは、20~30年以内に実現が見込まれる地球温暖化対策技術やエネルギー関連技術の比較的大規模な技術開発に関係する意思決定者による利用を想定しています(政府や公的研究機関、民間企業の研究開発部門等の意思決定者が対象となるが、評価のための作業量も考慮すると、長期的な開発を担う政府や公的研究機関が適していると考えられます)。
  • ある地球温暖化対策・エネルギー関連技術の技術開発を行おうとしていて、その性能・コスト・運用開始可能時期等の見込み値もしくは目標値がわかっているが、その技術が、日本全体でどの程度導入が見込まれるのか、また、そのときのCO2削減効果、地球温暖化対策・エネルギー関連の総システムコストの低減はどの程度なのか等、地球温暖化対策・エネルギー関連技術の重要度に関する情報を得たい場合に有用です。
  • 開発しようとしている、もしくは、開発している地球温暖化対策・エネルギー関連技術の技術開発成功確率はどの程度と見込まれるのか、その開発完了時期はいつ頃と見込まれるのかを、当該対象技術を構成する要素技術の成功確率や開発に要する期間に基づいて評価したいときに利用できると考えられます。更には、その技術開発におけるボトルネックはどこにあり、開発資金をどの要素技術開発に重点的に配分するのが良いのか等を評価したい場合にも有用です。

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